新しく外国人材の受入れ制度として注目されている「育成就労制度」と、4年前の2019年4月に制定された「特定技能制度」の位置付けや関係性を説明いたします。
管理人 2027年度に施行される予定の新制度「育成就労」が徐々に有識者会議によって分かってきました。まず、技能実習制度は廃止され特定技能に集約される見込みとなります。 技能実習から育成就労へと制度変更点 転籍(転職) […]
技能実習制制度の目的と運用実態のかい離がある
① 現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消し、我が国社会の人手不足分野(注)における人材確保と人材育成を目的とする育成就労制度を創設する。人材確保に関しては、人権の保護を前提とした上で、地方における人材確保も図られるようにする。
② 育成就労制度は、未熟練労働者として受け入れた外国人を、基本的に3年間の就労を通じた育成期間において計画的に特定技能1号の技能水準の人材に育成することを目指すものとする。
③ 特定技能制度は、人手不足分野において即戦力となる外国人を受け入れるという現行制度の目的を維持しつつ、制度の適正化を図った上で引き続き存続させる。
④ 家族帯同については、現行制度と同様、育成就労制度及び特定技能制度(特定技能1号に限る。)においては認めないものとする。
⑤ 現行の技能実習制度で行われている企業単独型の技能実習のうち、新たな制度の趣旨・目的に沿うものについては、監理・支援手段等の適正化を図った上で新たな制度で引き続き実施することを可能とする。また、国際的に活動している企業における1年以内の育成のような、新たな制度とは趣旨・目的を異にするものであっても、引き続き実施する意義があるものについては、適正性を確保するための手段を講じつつ、既存の在留資格の対象拡大等により、育成就労制度とは別の枠組みで受け入れることを検討する。
(注)生産性向上や国内人材確保のための取組を行った上でなお人材を確保することが困難な状況にあるため、外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野をいう。
特定技能制度について、深刻な人手不足に対応するため、制度を見直して適正化を図った上、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度との調和を図りつつ、引き続き活用していく方向で検討すべきであるという方向性を示した。
提言⑤について、現行の技能実習制度における企業単独型技能実習については、不適正事例の僅少さや技能移転への貢献を理由にその維持を求める意見があり、特定技能への移行に向けた人材育成を目指す新たな制度の趣旨・目的に沿うものについては、監理や支援手段等の在り方について適切な見直しを行いつつも、引き続き活用できるようにすることが相当と考えられた。
一方で、国際的に活動している企業が技能の向上を目的として1年以内などの短期間の育成を行う場合等については、3年間で特定技能1号の技能水準の人材を育成することを目指す新たな制度にはなじまない可能性があるので、一定の要件を設けた上で「企業内転勤」の在留資格による受入れを可能とすることも考えるべきとの意見もあり、既存の在留資格の対象を拡大するなどして一定の範囲で受け皿を用意し、新たな制度とは別の枠組みで受け入れるよう検討するのが相当と考えらました。