外国人ドライバー受入れ、いよいよ始動!
外国人が日本でドライバーとして働く道が、いよいよ本格的に開かれます。これまでとは全く異なる仕組みでの受入れが求められる「自動車運送業分野の特定技能制度」について、運転免許や在留資格の条件など、現時点で分かっている内容を分かりやすく解説します。
これまでの状況と背景
これまで、日本でドライバーとして働くためには、「永住者」「日本人の配偶者等」など、就労制限のない在留資格を持っている必要がありました。「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザでは、運転業務に従事することは認められていませんでした。
運送業であればトラック免許、バスやタクシーでは「第2種免許」など、より高度な運転免許が必要です。
「2024年問題」と人手不足の深刻化
ニュースでも報じられている通り、ドライバーの時間外労働に「年間960時間の上限」が設けられたことで、物流停滞の懸念が広がっています。加えて、ネット通販(Amazon・楽天・Yahoo!など)の拡大により、運送業界の慢性的な人手不足が加速しています。
自動車運送業が特定技能制度に追加!

2024年3月29日の閣議決定により、自動車運送業が特定技能制度に正式追加されました。令和10年度末までの5年間で、最大24,500人の受入れが見込まれています。
区分別の特有要件
【トラック区分】
- 道路運送法に基づく自動車運送事業を経営していること
- 「働きやすい職場認証制度」の認証を取得していること
- 「安全性優良事業所(Gマーク)」を保有していること
※Gマーク保有事業所は「自動車運送業分野の特定技能協議会」の構成員として、必要な協力を行う義務があります。
【バス・タクシー区分】
旅客自動車運送事業に従事する特定技能外国人に対して、新任運転者研修を実施することが義務付けられています。
外国人に関する基本要件
- 18歳以上であること(中型免許は20歳以上、大型免許は21歳以上が必要)
- 良好な健康状態であること
- 業務に必要な日本語能力を有していること
- 健康診断結果の提出(入管申請時)
- 試験などで技能・知識を証明していること
外免切替え・免許取得に関する注意点
- 外免切替え中の「特定活動期間」は運転業務以外に限られる
- 外免切替え試験は必ず合格できるとは限らない
- 期間中に日本の免許を取得できなければ特定技能での活動は不可
- 特定活動の延長も不可
- 中型・大型免許の取得は期間中にはできない
- 有効な海外免許が必要
採用ルートと受入れ方法

1. 海外から直接採用
- 技能実習修了者・特定技能希望者を対象
- 特定技能評価試験合格者+日本の運転免許取得者を優先
- 入国後に日本で免許を取得させるケースもあり(外免切替不要)
2. 技能実習生からの移行
- 実習中に特定技能評価試験・日本語試験をサポート
- 実習期間中に日本の免許取得または外免切替を行う
受入れに必要な主な費用

【免許関連費用】
- 普通免許・中型・大型免許取得費
- 外免切替研修・新任運転者研修
- 宿泊費・交通費など
【登録支援機関関係】
- 入国手続費・定期支援費・支援委託料
- 航空券・人材紹介手数料など
【生活インフラ整備】
- 寮の確保、家具・家電の準備
- 水道光熱費・Wi-Fi環境整備など
自動車運送分野の特定技能まとめ

- トラック/バス・タクシーでそれぞれ特有要件あり
- 特定技能試験合格+海外免許保有が原則
- 外免切替は必ず成功するとは限らない
- 技能実習など他在留資格で入国し、日本で免許を取得させるケースもあり得る
ポイントまとめ
- 特定技能「自動車運送業」は2024年からスタート
- 受入れには免許・日本語・安全管理などの厳格な条件がある
- 外免切替えや研修費など、コストを明確に把握しておくことが重要
