本文は、特定技能における「産業機械製造業」分野について、できるだけ分かりやすく解読したものとなります。
それでは、公表されている資料をもとに、産業機械製造業分野の要件や役割を見ていきましょう。
特定産業「産業機械製造業分野」とは
日本人の雇用を確保することが極めて厳しい状況であるため、外国人により人材不足を確保するための分野のこと。
経済産業省が生産性向上のために取り組んでいる事案は以下となります。
【生産性向上のための取組】
・ 企業自らによる工場のデジタル化、AI・IoTによるITプロセス革新など
・ 政府による設備投資・IT導入等による支援策など
→労働生産性は年平均2%向上(2012~2016、推計値)
・ 女性・高齢者活躍に向けたIT活用・制度整備・優良事例紹介など
→女性・高齢者比率は30%⇒34%へ(2012~2017 、推計値)
産業機械製造業分野における有効求人倍率(平成29年度)は、2.89倍。
各従事する業務別に見てみると、以下となります。
・金属プレス工2.97倍
・金属溶接・溶断工2.50倍
・プラスチック製品製造工3.70倍
と、深刻な人材不足となっています。
※5年後では、7.5万人ほどの人手不足を見込んでいます。
求められる人材の基準
産業機械製造業分野において特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は、以下に定める試験に合格した者又は産業機械製造業分野の第2号技能実習を修了した者とする。
素形材産業分野、産業機械製造業分野、電気・電子情報関連産業分野の3分野においては、製造現場で従事する業務の多くが共通していることから、技能水準及び評価方法等を統一し、「製造分野特定技能1号評価試験(仮称)」として共通の評価
試験を実施する。
製造分野特定技能1号評価試験
予定されている試験日程は、以下となります。
【国外実施予定時期(開始当初の実施予定国)】
・ベトナム,中国,フィリピン,インドネシア,タイ(2019年度中)
【国内実施予定時期(実施場所が決定している場合)】
国内は未定
特定技能1号-求められる人材の試験
(1)技能水準(試験区分)
産業機械製造業は、以下の18区分の試験を実施
①鋳造、②鍛造、③ダイカスト、④機械加工、⑤金属プレス加工、⑥鉄工、⑦工場板金、⑧めっき、⑨仕上げ、⑩機械検査、⑪機械保全、⑫電子機器組立て、⑬電気機器組立て、⑭プリント配線板製造、⑮プラスチック成形、⑯塗装、⑰溶接、⑱工業包装※ 各区分の試験内容は、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、素形材産業と共通(製造分野特定技能1号評価試験(仮称)として実施予定)
(2)日本語能力水準
「日本語能力判定テスト(仮称)」又は「日本語能力試験(N4以上)」が定められています。
特定技能1号の産業機械製造業務
実際に就職先で従事する業務内容です。
【特定技能1号が従事する業務】
①鋳造、②鍛造、③ダイカスト、④機械加工、⑤金属プレス加工、⑥鉄工、⑦工場板金、⑧めっき、⑨仕上げ、⑩機械検査、⑪機械保全、⑫電子機器組立て、⑬電気機器組立て、⑭プリント配線板製造、⑮プラスチック成形、⑯塗装、⑰溶接、⑱工業包装
特定技能所属機関(受入れ事業者)に対して課す条件
○ 特定技能所属機関(=受入れ事業者)に対して特に課す条件
・経済産業省が設置する「製造業外国人材受入れ協議会(仮称)」の構成員になること
・協議会が行う資料要求、現地調査等に対し必要な協力を行うこと
雇用形態
直接雇用のみ。
※派遣雇用は認められていません。