特定技能の「職種(分野)」を調べている方の多くは、受け入れ企業の担当者・登録支援機関・行政書士・外国人本人(転職や分野選び)です。
本記事では、2026年時点で押さえるべき特定技能16分野の全体像、1号/2号の違い、分野ごとの業務範囲、対象外になりやすい作業、技能実習からの移行、受け入れ実務までを、一覧表と具体例でわかりやすく整理します。
特定技能制度の概要:目的・在留資格・最新動向をまず解説
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で、一定の専門性・技能を持つ外国人材を「即戦力」として受け入れるための在留資格です。
制度理解で重要なのは、①分野(職種)ごとに従事できる業務が決まっていること、②1号と2号で在留期間や家族帯同の可否が異なること、③運用は省庁の告示・運用要領・Q&Aで更新されることです。
2024年以降の分野拡大もあり、古い「12分野」「14業種」情報のまま運用すると、対象業務の誤認や申請不備につながります。
特定技能とは何か:制度の目的と人材不足への対応(外国人の就労)
特定技能の目的は、国内人材の確保が難しい産業分野において、一定水準の技能と日本語能力を持つ外国人が就労できる道を整備することです。
技能実習が「人材育成・国際貢献」を建前にしていたのに対し、特定技能は最初から「就労(労働力)」として位置づけられ、雇用契約に基づき賃金・労働時間・安全衛生など労働法令の適用を受けます。
そのため企業側は、単に採用するだけでなく、業務内容が分野の範囲内か、支援体制が整っているか、法令遵守ができているかをセットで求められます。
在留資格「特定技能1号/特定技能2号」の基本:従事できる業務と期間
特定技能1号は、相当程度の知識・経験を要する技能を持つ人材が対象で、分野ごとに定められた業務に従事します。
在留期間は通算で上限があり、原則として家族帯同は認められません。
一方、特定技能2号は、より熟練した技能が求められ、在留期間の更新が可能で、要件を満たせば家族帯同も可能になります。
企業実務では「まず1号で受け入れ→経験を積んで2号へ」という設計が重要で、どの分野が2号対象か、移行要件(試験・実務経験)がどうなっているかを最新資料で確認する必要があります。
法務省の資料で確認する「最新」情報の見方(公式情報の確認手順)
「特定技能 職種 最新」を調べると民間記事が多く出ますが、最終的な根拠は出入国在留管理庁(法務省)と、各分野を所管する省庁の運用要領・告示・Q&Aです。
確認手順は、①出入国在留管理庁の特定技能ポータルで制度全体(在留資格・手続)を確認、②各分野の所管省庁ページで業務区分・試験・受入要件を確認、③最新の改正日・版数・更新履歴を見て情報の鮮度を担保、の順が安全です。
【2026年版】特定技能の職種一覧表:16分野・業種の全体像(一覧)

2026年現時点で特定技能は「16分野」に整理されています。
また、分野ごとに従事できる業務・試験・受入要件が決まります。
| 区分 | 16分野(代表例) |
|---|---|
| 生活・サービス系 | 介護/ビルクリーニング/宿泊/外食業 |
| 一次産業系 | 農業/漁業/林業/木材産業 |
| インフラ・物流系 | 建設/航空/鉄道/自動車運送業 |
| 製造・工業系 | 工業製品製造業/飲食料品製造業/自動車整備/造船・舶用工業 |
制度上の注意点:対象外の作業・付随業務・派遣の可否をチェック
特定技能で最も多いトラブルは「業務逸脱」です。
分野の主たる業務に付随して行う軽微な作業(付随業務)は認められることがありますが、主業務と無関係な作業を恒常的にさせると対象外になり得ます。
また、派遣の可否は分野により扱いが異なり、安易に派遣スキームを組むと制度違反リスクが高まります。
- 主たる業務が分野の定義に合致しているか(現場の作業名で判断しない)
- 対象外作業(例:事務中心、営業中心、運転資格が別途必要な業務など)を恒常的にさせない設計か
- 付随業務は「主業務の一部として合理的」か(割合・頻度も含めて説明可能か)
- 派遣が可能な分野か、可能でも要件(契約形態・管理体制)を満たすか
特定技能1号の職種一覧(分野別):受け入れ企業が押さえる業務内容

特定技能1号は、16分野のうち多くの分野で受け入れの中心となる在留資格です。
企業側が押さえるべきは「分野名」ではなく、現場で任せる作業が“制度上の対象業務”に入っているか、そして支援・教育・安全配慮を含めた受け入れ体制があるかです。
なお、同じ分野でも所管省庁の運用要領で表現が変わるため、最終確認は必ず公式資料で行ってください。
介護:従事できる業務内容、支援、雇用の実施ポイント
介護分野では、身体介護(入浴・排せつ・食事介助等)や、これに関連する支援業務が中心になります。
一方で、医療行為に該当する行為や、介護と無関係な業務を主にさせることはできません。
受け入れ実務では、介護記録の日本語、利用者とのコミュニケーション、夜勤体制、事故防止など、現場の安全と品質に直結する教育が重要です。
また、特定技能は就労資格のため、賃金・シフト・休憩・残業管理を適正に行い、支援計画(生活オリエンテーション、相談対応等)を確実に実施する必要があります。
特定技能の介護については、以下の関連記事を参考にしてください。
本記事は、「特定技能 介護」で外国人材の受け入れを検討している介護施設・事業所の採用担当者、施設長、法人本部の人事・総務担当者に向けて書いています。(※監理団体や登録支援機関が受入れ施設側に説明確認する文章としても活用できます) 制度の概[…]
ビルクリーニング:清掃作業の範囲と所属機関による管理
ビルクリーニング分野は、建築物内部の清掃を中心とした業務が対象で、現場では床面洗浄、ガラス清掃、衛生設備清掃などが想定されます。
注意点は、同じ「清掃」でも、建設現場の雑工や、ホテルのベッドメイク中心の業務など、分野が異なる(または対象外になり得る)ケースがあることです。
受け入れ企業(所属機関)は、作業手順書・薬剤の取り扱い・高所作業の安全教育などを整備し、誰がどの現場で何をしているかを管理できる体制が求められます。
ビルクリーニングは、他分野とは違って高齢者雇用を推進している分野でもあります。
技能実習でも受入れが出来る職種ですので、これからは技能実習、特定技能の両輪で人材確保を補っていくことになります。
オフィスビルや商業施設、病院、学校など、多くの人が利用する建物では、清潔で安全な環境づくりが欠かせません。 一方で、ビルクリーニング業界では高齢化や人材不足により、現場の担い手確保が大きな課題となっています。 その解決策のひとつが、[…]
建設/建設業:施工・作業の区分、受け入れの要件と計画
建設分野は、工程・職種が多岐にわたり、制度上も業務区分が細かく整理されています。
現場では、施工に関わる作業(例:型枠、鉄筋、とび、内装等)を中心に、分野で認められた範囲で従事します。
建設は安全配慮が最重要で、KY活動、保護具、資格が必要な作業の切り分け、危険作業の監督体制などが受け入れの前提になります。
また、工期に合わせて現場が変わるため、配属変更時にも「対象業務の範囲内か」を都度確認し、契約・計画と整合させることが欠かせません。
また、技能実習制度から移行受入れが多いため、技能実習2号から特定技能ビザへの変更が多い分野です。
この記事は、特定技能(建設)で外国人材の受け入れを検討している建設会社の人事担当者、現場管理者、または中小企業経営者を主な対象にしており、制度の基本、業務区分、要件、手続き、費用、雇用後の対応までを分かりやすく整理して解説するガイドです。 […]
農業/林業/木材産業/漁業:耕種・畜産・木材・養殖など産業別の業務
一次産業は、季節変動と屋外作業が特徴で、業務範囲の整理と安全衛生が定着の鍵になります。
農業は耕種(栽培管理、収穫、選別等)と畜産(飼養管理、衛生、搾乳補助等)で作業が大きく異なり、求人段階でどちらが中心かを明確にする必要があります。
林業は伐採・造林・集材など危険性が高い作業が含まれるため、機械の取り扱い教育、熱中症・蜂・斜面作業などのリスク対策が不可欠です。
漁業は漁獲・養殖・加工前工程などに分かれ、船上作業の有無で必要な安全管理が変わります。
農業は、技能実習や国家戦略特区などの制度でも受け入れることが出来、いちはやく外国人材の受け入れに取り組んできた分野の1つです。
雇用形態として、他業種では認められていない労働者派遣が認められています。(他業種は直接雇用が基本)
それは、農業分野は年間を通して繁忙期、閑散期があるため、労働者に安定的に仕事を与えるために派遣を認めている傾向にあります。
外国人材の活用を検討する農業経営者・人事担当者・行政書士の皆様へ、本記事では2026年に最新改正を迎える在留資格「特定技能」農業分野の制度全体像から、試験対策、受け入れ手続き、雇用後のフォローまでを網羅的に解説します。 検索上位10サ[…]
技能実習制度でも、多くの沿岸部エリアで技能実習生の受け入れがある分野です。特定技能では派遣形態での雇用が認められているため、労働力の融通、雇用・支援の一元化といった漁業現場のニーズに柔軟な対応ができることが期待されています。
本文は、特定技能における「漁業」分野について、できるだけ分かりやすく解読したものとなります。 管理人 特定技能の業種「漁業」は、ここ約20年ほどの間に就業者が概ね半減(27万人→15万人)している、極めて深刻な人材不足の分野[…]
宿泊/外食業:接客・調理などの業務内容と受け入れ企業の注意点
宿泊分野は、フロント、接客、館内案内、客室関連、レストランサービスなど、宿泊サービスの提供に関わる業務が中心です。
外食業分野は、調理、接客、店舗運営に関わる作業(仕込み、盛り付け、配膳、レジ、衛生管理等)が想定されます。
注意点は、同じ飲食でも「工場での製造」は飲食料品製造業分野に寄るなど、場所と工程で分野が変わることです。
また、接客は日本語力が定着に直結するため、メニュー用語・敬語・クレーム対応のロールプレイを教育に組み込むと離職を防げます。
新たに親切された宿泊業分野ですが、コロナ明け訪日外国人観光旅行者数の増加による人材不足が顕著になってきています。
また、技能実習制度に『宿泊業』が受入れ対象職種・作業として追加されたので、技能実習2号から特定技能1号への移行が可能となりました。
技能実習、特定技能の両輪で人材確保をしていく分野となります。
特定技能(宿泊)で外国人材を受け入れるための基本ガイド 観光立国を目指す日本では、ホテル・旅館など宿泊業の人手不足が大きな課題となっています。 その解決策のひとつが、在留資格「特定技能(宿泊)」を活用した外国人材の受け入れです。[…]
宿泊業と関連して、訪日外国人観光旅行者数の増加により、地方などの外食業が人材不足となっています。
外食業界で「特定技能の外国人を雇いたい」「試験やビザ要件が複雑で不安」と感じている飲食店・外食企業の採用担当者、店長、経営者の方に向けて、制度の全体像から雇用までの手順、受入れ後の義務、よくある失敗までを2026年時点の実務目線で整理した記[…]
航空/鉄道/自動車運送業:空港・車両・貨物等の作業範囲と安全管理
航空・鉄道・自動車運送業は、社会インフラとして安全が最優先され、業務範囲の線引きも「安全上の資格・教育」とセットで考える必要があります。
航空では空港地上支援(手荷物・貨物の取り扱い、機側支援など)を中心に、危険物や保安区域のルール遵守が必須です。
鉄道では車両・施設の保守、駅業務の一部など、区分に応じた安全教育と手順遵守が求められます。
自動車運送業は、運行に関わる業務が含まれるため、免許要件、労働時間規制、点呼・安全運転管理など、一般の製造・サービス分野より管理項目が増えます。
制度開始から令和10年度末までの5年間における、自動車運送業分野での特定技能外国人の受入れ上限は24,500人です。
いよいよ始まる外国人ドライバー、日本での運転免許の取得・外国取得免許の切替えなど、他職種とは全く異なるスキームでの受入れが必要となるほか、その他要件も含め、現在分かっている範囲で分かりやすく解説します。
外国人ドライバー受入れ、いよいよ始動! 外国人が日本でドライバーとして働く道が、いよいよ本格的に開かれます。これまでとは全く異なる仕組みでの受入れが求められる「自動車運送業分野の特定技能制度」について、運転免許や在留資格の条件など[…]
製造業・工業分野の職種:工業製品/電子/電気/機械/金属/食品まで
製造・工業系は、特定技能の中でも受け入れ人数が多く、現場の作業が細分化されている分、業務逸脱が起きやすい領域です。
ポイントは、①ライン作業のどの工程を任せるか、②保守・点検など“技能の熟練度”が必要な作業をどう切り分けるか、③品質・安全・衛生の教育をどこまで標準化できるか、の3点です。
また、分野名が似ていても、工業製品製造業、飲食料品製造業、自動車整備、造船・舶用工業などで所管や試験が異なります。
各都道府県で働き口が多いことで地域の雇用を創出して促している、我々国民の生活には切っても切れない分野です。
本文は、特定技能における「素形材産業」分野について、できるだけ分かりやすく解説したものとなります。 まず初めに素形材産業とは、素材に熱や力を加えることで複雑な形状や高い強度を持つ金属部品を製造・供給する産業です。 管理人 […]
工業(製造)で任される業務:製造・加工・組立・検査の基本
工業(製造)系で中心となるのは、製造、加工、組立、検査、梱包などの工程作業です。
特定技能では「一定の専門性・技能」が前提のため、単純作業の繰り返しに見える工程でも、品質基準の理解、測定器の使用、手順遵守、不良対応などを含めて“技能”として説明できる設計が重要です。
受け入れ企業は、作業標準書(写真付きが望ましい)、品質不良の判断基準、5S、安全教育(挟まれ・切創・感電等)を整備し、教育→OJT→単独作業許可の流れを作ると定着しやすくなります。
産業機械/機械:保守・点検・整備などの業務内容
機械系の業務では、組立や加工に加えて、設備や機械の保守・点検・整備に関わる作業が論点になります。
保守点検は安全と品質に直結する一方、資格や社内認定が必要な作業も多く、未経験者にいきなり任せると事故リスクが高まります。
そのため、特定技能人材に任せる範囲を「日常点検」「部品交換の補助」「分解整備の補助」など段階的に設計し、監督者の配置と教育記録をセットで整えることが重要です。
電子/電気:電子機器・配線・製品工程に関わる作業の整理
電子・電気系は、基板実装、配線、組立、検査など、細かな工程が多い分野です。
現場では、はんだ付け、圧着、配線取り回し、通電検査、外観検査などが想定されますが、感電・静電気(ESD)・火災リスクがあるため、教育と作業環境の整備が欠かせません。
特定技能の運用では、工程名だけでなく「どの製品のどの工程か」「品質基準は何か」を説明できるようにしておくと、対象業務の整理がしやすくなります。
金属:金属加工・溶接などの技能と試験の考え方
金属分野では、切断、曲げ、プレス、旋盤、溶接、研磨など、加工技能が中心になります。
溶接は特に安全・品質要求が高く、材料や姿勢、溶接方法で難易度が変わるため、社内で任せる範囲を明確にし、技能評価(社内試験や指導員のチェック)を行うと運用が安定します。
また、火気使用、粉じん、騒音、重量物などのリスクがあるため、保護具の着用徹底、換気、作業姿勢、玉掛け等の資格作業の切り分けが重要です。
食品・食料品製造:衛生管理、食品の製造工程、工場での従事範囲
飲食料品製造業分野は、食品工場の製造工程(原料処理、加熱、充填、包装、検品など)に従事するイメージです。
最大のポイントは衛生管理で、手洗い、異物混入防止、温度管理、アレルゲン管理、作業区域の区分など、ルールを守れる仕組みが必要です。
外国人材にとっては、衛生ルールが“文化差”で理解しづらいことがあるため、ピクトグラム、動画、母語補助を使った教育が効果的です。
どれだけ機械化(IT化)が進化しても対応しきれない部分(人の手作業や目視確認作業など)、人でしか対応できない工程がある分野でもあります。
特定技能(飲食料品製造業)で外国人材を受け入れるための基本ガイド 飲食料品製造業の現場では、少子高齢化や三交替・シフト制などの影響により、慢性的な人手不足が続いています。 その解決策のひとつが、在留資格「特定技能(飲食料品製造業[…]
自動車(製造・整備):部品・車両・整備業務の対象と注意点
自動車領域は、工場での製造工程と、整備工場での整備業務で論点が分かれます。
特定技能の「自動車整備」では、点検・整備・部品交換など、整備士の補助を含む実務が中心になり、工具の扱い、安全管理、作業記録の正確さが求められます。
一方、製造ラインの作業は工業製品製造業など別分野で整理されることがあるため、「自社は整備なのか製造なのか」を最初に切り分けることが重要です。
若者のクルマ離れや整備要員の平均年齢が上昇している、極めて人材が不足している分野です。
これからは技能実習、特定技能の両輪で人材確保を補っていくことになります。
自動車整備業界では、少子高齢化や若年層の整備士離れにより、人手不足が深刻な課題となっています。 その解決策のひとつが、在留資格「特定技能(自動車整備)」を活用した外国人材の受け入れです。 本ページでは、特定技能(自動車整備)で外国人[…]
造船・舶用(船用)分野:造船/舶用工業の業務と受け入れ実務
造船・舶用工業分野は、製造業の中でも大型構造物・重量物・火気作業が多く、安全と品質の管理が特に重要です。
造船(船体)と舶用(機関・設備)で工程や必要技能が異なるため、受け入れ企業は「どの工程で、どの技能を、どの監督体制で」任せるかを明確にする必要があります。
また、協力会社が多い現場では、指揮命令系統が曖昧になりやすく、所属機関としての管理責任を果たせる体制(教育、勤怠、配置、相談窓口)を整えることが欠かせません。
造船:工業製品としての造船作業、工程別の業務内容
造船では、鋼材の加工、組立、溶接、塗装、艤装など、船体を作り上げる工程に関わる作業が中心になります。
工程が長く、屋外・高所・狭所・火気作業が混在するため、作業手順の標準化と、危険ポイントの教育が不可欠です。
特定技能人材に任せる場合は、いきなり危険度の高い工程に投入するのではなく、材料準備や補助作業から段階的に技能を積ませ、監督者の下で作業範囲を広げる設計が現実的です。
舶用(船用):舶用機関・設備の製造や整備、対象業務の確認
舶用(船用)では、エンジンやポンプ、配管、電装など、船に搭載される機関・設備の製造や整備に関わる作業が想定されます。
機械・電気・配管が絡むため、図面の読み方、トルク管理、漏れ検査、通電検査など、品質に直結するポイントを教育で押さえる必要があります。
一方で、設計変更の判断や高度な技術者業務は別領域になり得るため、特定技能として任せる範囲(組立、加工、検査、整備補助など)を職務として明確化することが重要です。
受入れエリアは港運業が多い瀬戸内海に集中しています。島国である日本にとって生命線でもある造船・舶用工業は、労働集約型産業として地域の経済・雇用にも貢献している非常に重要な産業です。
本文は、特定技能における「造船・舶用工業」分野について、できるだけ分かりやすく解読したものとなります。 管理人 特定技能の業種「造船・舶用工業」は、他の業種と比べて地方での人材不足が極めて高い分野です。 特に港運業が多い瀬[…]
安全・品質・現場管理:企業が整えるべき実施体制
造船・舶用は、事故が重大化しやすい分、受け入れ企業の管理体制が問われます。
具体的には、安全教育(火気・高所・酸欠・重量物)、品質教育(溶接欠陥、塗膜、締結管理)、そして現場の指揮命令系統の明確化が三本柱です。
特定技能人材は日本語の理解に個人差があるため、危険表示の多言語化、指差呼称、写真付き手順書、通訳・翻訳の活用など、伝達ミスを前提にした仕組みが必要です。
特定技能2号で広がる分野:1号との違い、要件、移行の手続き

特定技能2号は、1号より熟練した技能を前提に、より安定的に就労できる在留資格です。
企業にとっては、育成した人材が長期的に戦力化しやすく、本人にとっては在留の安定や家族帯同の可能性が広がる点が大きなメリットです。
ただし、2号は分野が限定され、移行には試験や実務経験などの要件が設定されます。
特定技能2号の特徴:在留資格上のメリットと従事できる業務
2号の特徴は、熟練技能を前提に、より幅広い業務や責任ある役割を担える設計になっている点です。
在留期間の更新が可能で、要件を満たせば家族帯同が認められるため、生活基盤が安定しやすく、長期雇用に向きます。
一方で、2号だからといって何でもできるわけではなく、分野ごとの業務範囲や、現場での役割(指導、工程管理の一部など)の位置づけは、所管省庁の資料に沿って整理する必要があります。
1号→2号の移行:必要な試験、合格、実務経験、申請の流れ
1号から2号への移行は、一般に「分野ごとに定められた試験の合格」や「一定の実務経験」が軸になります。
実務では、①候補者の業務実績(どの工程をどれだけ担当したか)を記録、②試験区分と現場業務の一致を確認、③受験計画(学習時間、用語教育、模擬試験)を作成、④合格後に在留資格変更等の申請、という流れで進めるとスムーズです。
2号移行を見据えるなら、1号の段階から“核となる工程”を決め、段階的に難易度を上げる育成計画を作るのが現実的です。
対象分野の最新状況:拡大・追加の可能性と確認すべき資料
2号の対象分野は制度改正で見直されることがあり、将来的な拡大・追加の可能性も議論されます。
そのため、企業は「今は対象外だから関係ない」と切り捨てず、採用戦略として定期的に最新情報を確認することが重要です。
確認すべき資料は、出入国在留管理庁の制度ページ、各分野所管省庁の運用要領・Q&A、そして改正の公表資料(検討会資料や告示改正)です。
技能実習から特定技能へ:移行できる職種・できない職種と違い

技能実習から特定技能への移行は、現場経験を活かして即戦力化しやすい一方で、「職種・作業の一致」や「手続の段取り」でつまずきやすい領域です。
特に、技能実習の職種名と、特定技能の分野名が似ていても、制度上の対象業務が一致しないケースがあります。
また、技能実習は監理団体が関与するのに対し、特定技能は所属機関(受入企業)と登録支援機関の役割が中心になり、支援義務や雇用管理の考え方も変わります。
技能実習と特定技能制度の違い:目的・雇用形態・支援の比較
両制度は似て見えますが、目的と設計が異なります。
技能実習は技能移転を掲げ、特定技能は人手不足分野での就労を目的とします。
そのため、特定技能では業務範囲の適合性と、支援(生活オリエンテーション、相談、行政手続補助等)の実施がより重要になります。
| 項目 | 技能実習 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 制度目的 | 技能移転・人材育成(建付け) | 人手不足分野での就労(即戦力) |
| 中心となる管理主体 | 監理団体+実習実施者 | 所属機関(受入企業)+登録支援機関 |
| 業務範囲 | 実習計画に基づく | 分野ごとの対象業務に限定 |
| 支援 | 制度枠組みによる | 1号は支援計画に基づく支援が重要 |
移行の実務:職種一致の考え方、必要書類、手続きの注意点
移行実務で最初にやるべきは「技能実習で行っていた作業」と「特定技能で従事予定の業務」が一致しているかの確認です。
一致の判断は、現場の呼び名ではなく、制度上の職種・作業区分・業務区分で行います。
次に、雇用条件(賃金、所定労働時間、業務内容、勤務地)を特定技能の前提に合わせ、支援計画(自社実施か委託か)を整備します。
書類は申請類型で変わりますが、共通して「業務内容の説明」「雇用条件の適正」「支援体制の整備」を示す資料が重要です。
現場で起きやすいミスマッチ:業務内容のズレと防止策
制度面では、対象業務から外れた作業をさせると業務逸脱になり、企業・本人双方にリスクが生じます。
防止策は、①求人票に工程・作業例を具体的に書く、②入社前に職場見学や動画で業務を見せる、③入社後1か月の教育計画を作り、できる作業を段階認定する、④相談窓口を機能させ早期に不満を吸い上げる、の4点が有効です。
受け入れ企業・所属機関がやること:採用、支援、雇用管理の実務

特定技能の受け入れは、採用できれば終わりではなく、支援・雇用管理・業務適合の継続運用が本番です。
所属機関(受け入れ企業)は、適正な雇用条件、業務内容の適合、支援計画の実施(または委託管理)、そして法令遵守を求められます。
現場では、言語・文化差による事故や労務トラブルを防ぐため、教育とコミュニケーション設計が重要です。
採用の進め方:人材要件、面接、契約、就労開始までの計画
採用は「分野の適合」と「定着」を同時に満たす設計が必要です。
まず人材要件として、任せる工程に必要な技能水準、日本語レベル(安全指示が理解できるか)、夜勤や繁忙期対応の可否を明確にします。
面接では、経験の有無だけでなく、作業動画を見せて理解度を確認し、ミスマッチを減らすのが効果的です。
契約段階では、業務内容を分野の対象業務に沿って具体化し、賃金・手当・残業・休日・勤務地を明確にします。
所属機関/登録支援機関の役割:支援の範囲と委託のポイント
所属機関は、特定技能1号の支援計画に基づく支援を適切に実施する責任があります。
自社で実施することもできますが、体制が難しい場合は登録支援機関へ委託するのが一般的です。
委託のポイントは、「丸投げ」ではなく、支援の実施状況を所属機関が把握できる運用にすることです。
例えば、定期面談の記録共有、相談内容のエスカレーションルール、転職・退職兆候の早期共有などを契約で明確にすると、トラブルを未然に防げます。
派遣の取り扱い:可能な分野・不可のケースと制度上の注意
特定技能の派遣は、分野によって可否や要件が異なり、誤ると制度違反になり得ます。
そのため「人手が足りない現場にとりあえず派遣する」という発想は危険で、必ず分野の運用要領で派遣の扱いを確認してください。
派遣が想定される場合でも、指揮命令関係、就労場所の管理、業務内容の適合、支援の実施主体など、確認項目が増えます。
法令遵守とリスク管理:在留資格・業務逸脱・労務トラブルの予防
リスク管理の中心は、在留資格の適合(業務範囲・雇用条件)と、労務トラブルの予防です。
業務逸脱は、本人の在留にも影響し得るため、現場任せにせず、職務記述書・工程表・配置記録で管理することが重要です。
労務面では、最低賃金、割増賃金、休憩、36協定、安全衛生、ハラスメント対応など、通常の日本人雇用と同等以上に丁寧な運用が求められます。
よくある質問(FAQ):職種一覧の見方・最新の確認・対象業務の判断

最後に、「特定技能 職種」で検索する方が特につまずきやすいポイントをFAQ形式で整理します。
多くの疑問は、①最新情報の参照先が分からない、②対象業務の線引きが難しい、③分野拡大で自社にどう影響するか読めない、の3つに集約されます。
「特定技能 職種一覧 最新」はどこで確認?法務省等の公式情報の探し方
最新の根拠は、出入国在留管理庁(法務省)と各分野所管省庁の公式資料です。
民間サイトの一覧は便利ですが、更新日が古いと分野追加や要件変更を反映していないことがあります。
探し方としては、①出入国在留管理庁の「特定技能」ページで制度全体と手続を確認、②自社分野の所管省庁ページで運用要領・Q&A・試験情報を確認、③資料の更新日(改正日)を必ず見る、の順が確実です。
対象か迷う作業がある:業務の線引き(従事可/不可)をどう判断する?
迷ったときは、作業名の印象ではなく「分野の定義」「業務区分」「主たる業務性(中心かどうか)」で判断します。
具体的には、①その作業が分野資料に例示・定義されているか、②主たる業務として継続的に行うのか、③付随業務として合理的な範囲か、④資格が必要な独占業務に触れていないか、を確認します。
判断が難しい場合は、作業手順書や工程表を作り、どの工程が何%かを可視化すると整理しやすくなります。
分野追加・拡大で何が変わる?企業の受け入れ戦略と活用方法
分野追加・拡大が起きると、採用可能な業務が増えるだけでなく、競合他社も同じ市場で採用を強化するため、人材獲得競争が激しくなります。
企業戦略としては、①自社業務がどの分野に最も適合するかを再点検し、申請の説明が通る分野で採用する、②1号→2号のキャリアパスを提示して定着率を上げる、③教育(日本語・安全・品質)を標準化して早期戦力化する、の3点が効果的です。












